私たち設計者の仕事は、大きく分けると2つあります。
ひとつは施主の要望を形にするために建物の図面を描く「設計」という業務。
そしてもうひとつは、図面の指示どおりに現場が進んでいるかを確認する「監理」という業務です。
それらを行ったうえで、私たちがいただく報酬、いわゆる設計料というものがあります。
今回は、設計と監理の仕事についてと、その報酬についてご説明いたします。
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「設計業務」は一般的にイメージしやすいと思います。
施主の要望を聞き、それを設計図に起こし、さらに詳細に見積りをとれる図面、役所に提出できる図面として精度を上げて制作する仕事です。
「監理業務」はわかりにくい部分もあるかもしれません。
簡単にお伝えすると設計図と現場とを照らし合わせる仕事です。
そして図面をもとに、どうつくっていくかを現場で考える仕事でもあります。
よくドラマなどで、以下のような場面を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
設計者「こうしたいんです!」
現場監督「ばっきゃろー! できるかい!!」
ここまでわかりやすい会話は実際ないですが(笑)、かなり近いやりとりを行っていることは確かです。
設計者は設計図をもとに図面で詳細に見えてこない部分を現場と検討します。
そのなかで、こうしたいと思うことを現場に伝えます。それはお施主様の思いを技術的に代弁することにもなります。
現場は、それをどうやって実現しようかを考えます。
そのなかで私たち設計者もアイデアを出し合い、最終的に形となります。
この連携を円滑にするのは、現場監督さんの工事管理、そして設計者の監理の仕事の一部なわけです。
設計者は図面を描いて終わりではないということがご理解いただけたら幸いです。
「設計料」って、どのような形で支払われるものなの?
上記の業務にあたって、私たち設計者は報酬をお施主様からいただいています。
いわゆる「設計料」というものです。
設計事務所で家を建てることを考えたとき、設計料分を高いと考える人がいます。
私たち日本人は、商品とならない知的財産へお金をかけることに躊躇しがちです。
なかには設計はお金が発生するものでなく、営業としてのサービス行為と考える人もいるのです。
皆さんは設計という仕事の対価について、どのくらい理解をしているでしょうか。
例えば設計事務所以外の住宅会社で注文住宅のプランをサービス、つまり無料で行ってもらったとしましょう。
それは施主であるあなたにとっては無料に感じるかもしれません。
では、反対にプランを作成した人は無報酬でやっているのかというと、それは違います。
その人も給料をもらわないと生活ができません。
どこからそれを捻出しているのでしょうか。それは施主が支払う工事金額の中です。
経費なのか、営業費なのか、それは会社によって違うでしょう。
つまり全体としての金額は、決して設計が無料で組み込まれているというわけでなく、サービスの見せ方という点で異なるだけなのです。
一生着ていたいと思うお気に入りの服を量販店で買うか、オーダーメイドで注文するかという例えで考えるとわかりやすいかと思います。
家づくりにあたって、設計事務所、工務店(設計施工会社を含んだ)、ハウスメーカーで、家をつくるプロセスや、提示金額の表現が異なります。
でも、家が建つ以上、設計図は存在しますし、それを作ることを仕事とし生活している人が社会にいるということは共通しています。
その人をみつめることで、設計という仕事の意義や価値を家づくりのなかで理解していただけるとうれしいです。
(出典 news.nicovideo.jp)
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